東京都知事は、東京都消費生活条例に基づく紛争処理機関である東京都消費者被害救済委員会に、「日本語教育サービスの中途解約に係る紛争」の解決を付託したことを発表した。
今回の紛争の申立人は外国人留学生の20歳代女性となり、相手方は日本語教育サービス事業者となる。申立人の主張によると、申立人は日本の大学院進学を希望しており、来日して日本語を学ぶため、相手方が提供する進学1年9か月コース(平成30年7月入学)に申し込んだ。学費は、相手方の請求により、平成30年5月に最初の1年分を、令和元年5月に残りの9か月分を支払った。令和元年8月上旬に、9月下旬から希望の大学院に入学できることが決まったことを理由に、相手方に9月末での退学と10月以降の授業料の返金を申し出たが、相手方からは、ルールにより一切返金できないと言われた。契約書は渡されておらず、2年目の学費納付期日の通知には返金に関する記載はなかった。入学する際の学費納付依頼書を確認したところ、注意事項として納付後には原則として返還しない旨の記載があった。授業を受けていないので、中途退学後の令和元年10月から翌年3月までの授業料を返金してほしいという旨の主張である。
付託された理由は、全国の外国人留学生数は近年大きく増加しており、令和元年5月1日時点で約31万人であり、このうち4割が東京に集中している。都内の消費生活センターには、外国人留学生から教育サービス契約を解約したが返金してもらえないといった相談が寄せられており、相談の中には本人の日本語能力の不足や帰国しなければならないなどの事情により、途中で解決を断念しているケースが散見されることから、そのほかにも、はじめから相談することをあきらめてしまう留学生が多数いるのではないかと懸念されている。本件と同様に、日本語等教育サービスの契約において、事業者が返金に応じないケースもあることから、未受講分の返金について消費者保護の規定の適用に関する考え方を整理して、今後の消費者被害の防止と救済を図るため、本件が付託されることとなった。。
主な問題点は、『特定商取引法では、特定のサービス提供について、一定の期間・金額を超える契約の中途解約に関するルールを定めており、「語学の教授」は同法で指定されたサービスの一つである。ただし、この「語学の教授」には、授業の内容等が、大学等への入学試験準備に該当するものは含まれない。』と『申立人が契約したのは、相手方が提供する「進学コース」であるが「進学コース」という名称であっても授業の内容等によっては、特定商取引法で定める「語学の教授」に該当し、同法に基づき中途解約による返金を求められるのではないだろうか。特定商取引法が適用できない場合であっても、相手方の納付後の授業料は一切返金しないとしているルールは、消費者の利益を一方的に害する条項を無効とする、消費者契約法の趣旨に反するのではないだろうか。』としている。
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