海上保安庁は、法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋海域の維持・強化を目指して、東南アジア周辺海域などにおける海賊対策の一環として12月26日から約1ヶ月間、巡視船と航空機をインドとマレーシアに派遣することを発表した。
海上保安庁の見解では、法の支配に基づく自由で開かれたインド・太平洋を実現することは、海賊をはじめとする海上における脅威から地域の平和、安定及び繁栄を護る上で不可欠なものであるとしている。そのため海上保安庁は、海賊対策として東南アジア周辺海域に平成12年から巡視船を、平成13年から航空機を派遣している。
今回も例年と同様の東南アジア地域への派遣が行われることとなり、今月26日から約1箇月間にわたって巡視船をインドとマレーシアに、来年1月21日から4日間にわたって航空機をマレーシアに派遣することとなった。派遣する巡視船は、第九管区海上保安本部 新潟海上保安部所属の巡視船えちごとなる。派遣する航空機は、第十一管区海上保安本部 那覇航空基地所属のファルコン2000「ちゅらたか」となる。
インドへの派遣では、今回で第19回目となる日印海上保安機関長官級会合をデリーで開催する。これに併せて巡視船えちごをチェンナイへ派遣し、海上保安庁及びインド沿岸警備隊による第18回目となる連携訓練を実施する予定である。
マレーシアへの派遣では、海上保安庁総務部参事官を団長とする派遣団が航空機に同乗して、マレーシア海上法令執行庁等への表敬訪問及び訓練視察などを実施する予定である。これに併せて巡視船えちごを派遣し、海上保安庁及びマレーシア海上法令執行庁による第9回目となる連携訓練を実施する予定。また、油防除分野での連携強化を図ることを目的として、海上保安庁とマレーシア海上法令執行庁共催で、マレーシア海上保安関係機関などに対する油防除ワークショップを実施し、講師として海上保安庁モバイルコーポレーションチームと機動防除隊などを派遣する予定である。