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日本政府は、カンボジアにおける火災時の対応能力向上を支援するため、消防車両4台を供与する支援を実施した。
カンボジアの首都プノンペンでは、近年の急速な経済発展と都市化に伴い、日系企業も入居する高層ビルや石油化学製品工場の建設が相次いでいる。しかし、建築に関する法令は2019年に施行されて日も浅く、多くの建築物が依然同法に基づいて建てられたものでないことから、十分な建築強度や防火・耐火能力を備えていない可能性が否定できていない状況であった。また、高層ビル火災に対応するはしご車や石油類等危険物による火災に対応する化学消防車が配備されておらず、利用可能な水槽付きポンプ車も不足しているため、火災時の対応能力が限られていた。
そのため、日本政府は、この問題を解決するための支援を実施することを決定した。この支援は、令和2年度草の根・人間の安全保障無償資金協力「プノンペン都への中古消防車供与による消防能力向上計画」として、供与限度額が227,736米ドルとして実施される。
この支援が実施されたことにより、整備された消防車両4台(40m級中古はしご車1台、中古化学消防車1台、中古水槽付きポンプ車2台)の引渡式典が、プノンペン消防本部で開催された。消防車が整備されたことにより、迅速で効果的な消火・救助活動を実施することが可能となり、プノンペン都に居住する市民だけでなく国内外から訪れる人々の生命や財産の保護に大きく貢献することが期待されている。