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カンボジアの地方選挙が4日に実施され、即日開票された結果、政権交代を訴えていた最大野党の救国党が議席を伸ばして約3割の行政区で勝利した。
カンボジアでは、フン・セン首相率いる人民党が30年以上に渡って与党の立場を維持している。1993年からは国際連合の監視の元で民主選挙が開始されたが、人民党は豊富な資金力と組織力を背景として、その後の選挙でも圧勝していた。しかしながら、経済成長が進むカンボジアにおいては、富の再配分が公平に行われておらずに貧富の差が広がり、人民党による強権的な統治に不満が出てきていた。
今回実施された地方選挙は、全国各地における行政区の議員を選出する選挙であり、この選挙で最大野党である救国党が大きく躍進する事となった。前回の選挙では与党の人民党が97%の行政区で第一党となっていたが、今回は大幅に減少し約7割の行政区のみでの第一党となった。
来年の7月には議会選挙が実施されるため、最大野党の救国党は政権交代を合言葉として更なる攻勢をかけていく見込みである。なお、日本政府はカンボジアにおいて公平で公正な選挙を行えるように支援を今までに実施しており、来年の議会選挙に関しても同様の支援を実施していく方針である。