日本の環境省は、日本企業などがタイなどにおいて実施する温室効果ガス削減事業に対して、支援を実施することを発表した。
環境省では、パートナー国で、日本企業や日本政府が技術や資金の面で協力して対策を実行し、追加的に得られた温室効果ガス(GHG)の削減や吸収の効果を、パリ協定6条に沿ってクレジット化し、パートナー国側と日本側で分け合う仕組みとなる二国間クレジット制度を実施している。
今回は、この制度に関連し、「二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業」の令和6年度本事業の第一回採択案件として、3件の事業を採択した。
1件目の採択事業は、チリ共和国における、ファームランド株式会社による『ランカグア市における12MW太陽光発電・41MWh蓄電池導入プロジェクト』となる。この事業は、12 MWの太陽光発電と41 MWhの蓄電池システムを導入し、発電した電力を蓄電池の活用も通じて効率的に売電することで、系統電力を再生可能エネルギー由来電力で置き換え、系統電力の発電時の化石燃料の使用・燃焼の量を削減するものとなる。
2件目の採択事業は、タイ王国における、日鉄エンジニアリング株式会社による『化学工場へのバイオマスコージェネレーションシステムの導入』となる。この事業は、バイオマスコージェネレーションシステムを導入し、製造された電力・蒸気を化学工場の生産プロセス用の自家消費分として供給することで化石燃料の使用を削減するものとなる。
3件目の採択事業は、タイ王国における、株式会社大紀アルミニウム工業所による『アルミインゴット工場への高効率システム導入による生産性改善』となる。この事業は、アルミインゴット生産設備において、生産過程の炉へ省エネ型バーナーを採用した一貫生産システムを導入し、生産性改善とエネルギー利用の効率化を実現するものとなる。