東京都は、在住外国人などの子供を対象にした安全啓発講座『ティーンエイジャーのための安全セミナー』を、令和4年3月末まで開催する。
東京都によると、都内の在住外国人は令和3年1月時点で約54.6万人(前年比約3万人減)と新型コロナの影響により微減となっているもののこれまで増加傾向にあり、在住外国人や外国にルーツを持つ子供たちも増えているとしている。そのため、インターナショナルスクールやNPOの学習支援に通う主に在住外国人などの小学校高学年から高校生までを対象に、「防犯力」や「規範意識」を身に付けてもらうために、インターナショナルスクールなどに講師を派遣して啓発講座を実施することを決定した。
対象となる者は、インターナショナルスクールや NPO の学習支援教室などに通う小学生高学年から高校生相当の子供となり、保護者も一緒に受講できる。開催される場所は、申込者の希望する場所に講師が派遣されるため、開催場所は申込者が準備する必要がある。講座を行う講師は無料で派遣される。日本語のほか、英語でも実施することが可能である。講演時間は、1時間程度となる。
講演では『安全啓発の講義』と『グループワーク』が行われる。『安全啓発の講義』では、都が作成した教材を用いて、最新のトラブル事例なども踏まえながら安全啓発の講義を実施する。主な啓発内容は、「登下校時に注意すべきこと」「事件や事故に遭った際の対応方法」「SNS・ネットトラブル防止」「性犯罪被害防止」「万引き防止」「非行防止(特殊詐欺、薬物など)」などとなる。『グループワーク』は、子供たちが自ら考え話し合いをする時間を設けることで、トラブルが発生した際の問題解決能力などを身に付ける。テーマは「見知らぬ人から声をかけられたときの対処方法」「万引きなどの犯罪に誘われた場合の断り方」「SNSで怪しいアルバイトに誘われたときの断り方」「110番の際に説明する内容」から選択する。
また、講座の内容について復習するチェックシート『ティーエイジャーのための安全セミナー理解度チェックシート』も用意されている。このシートの質問は、「何日か置いたままにされている自転車が公園にあったので、自分で使用するようにした」、「お店で売っているお菓子をお金を払う前に食べようとしている友達を注意した」、「公園のベンチに、公園に来た記念に名前を書いた」、「何か危ないことがあった時に、自分の身を守るために、ナイフを持ち歩いている」、「友達に薦められて1回だけの約束で、大麻を使った」などとなっている。