日本の厚生労働省は、医療機関における外国人患者の受入に係る実態調査を実施した結果、約半数の病院で外国人患者の受入があったとともに、16.5% が外国人患者による未収金を経験し、未収金の総額は平均37.0万円であったことが明らかになった。
厚生労働省の見解によると、現在は新型コロナウイルス感染症の一時的な影響はあるものの、日本の訪日外国人旅行者は2018年は年間約3,119万人、在留外国人は約263万人と、増加傾向にあるとしている。日本政府においては、内閣官房健康・医療推進本部が「訪日外国人に対する適切な医療等の確保に関するワーキンググループ」を開催し、「訪日外国人に対する適切な医療等の確保に向けた総合対策」を取りまとめていた。
今回は、厚生労働省において、全国の全ての病院と一部の都道府県の診療所を対象とし、医療機関の外国人患者受入能力向上のための基礎資料を得ることを目的として、令和2年度「医療機関における外国人患者の受入に係る実態調査」が実施された。
『外国人患者の受入れ実績』によると、2020年10月1日から31日の外国人患者数を調査したところ、約半数で外国人患者の受入れがあった。都道府県の選出する「外国人患者を受入れる拠点的な医療機関」では、より多く、8割以上で外国人患者の受入れがあった。
『外国人患者受入れ医療コーディネーターの配置実績』によると、外国人患者受入れ医療コーディネーターを配置していたのは1割未満であった。
『医療通訳の費用』によると、外国人診療において、診療費以外の追加的費用として、通訳料を請求している病院の割合は、約4%であった。
『未収金の発生状況』によると、16.5%が外国人患者による未収金を経験していた。未収金があった病院のうち、病院あたりの未収金の発生件数は平均4.4件、総額は平均37.0万円であった。