出入国在留管理庁は、2019年における上陸審判状況を発表し、入国審査官が上陸を許可しなかった外国人を特別審理官に引き渡した件数は前年から14%増加の1万3,402件であり、被上陸拒否者は中国・タイ・トルコで半数以上を占めていたことが明らかになった。
入国審査官が上陸を許可しなかった外国人を特別審理官に引き渡した件数(口頭審理の新規受理件数)は、1万3,402件であり、2018年と比べ1,646件(14.0%)増加している。内訳は、口頭審理に付された外国人の中で最も多いのは、不法就労等の違法な活動が目的であるにもかかわらず観光客等を装い上陸申請に及ぶなどの虚偽申請等入国目的に疑義のある事案で、このような事案は2018年より1,554件(17.9%)増加して1万240件となり、新規受理件数の76.4%を占めている。次いで、偽変造旅券を行使して不法入国を企図するなどの有効な旅券・査証を所持していない疑いのある事案が2,206件で、2018年と比べ266件(13.7%)増加し、新規受理件数の16.5%を占めている。上陸拒否事由に該当する疑いのある事案は953件で、2018年と比べ175件(15.5%)減少し、新規受理件数の7.1%となっている。
被上陸拒否者数は1万647人となり、2018年と比べると1,468人(16.0%)増加している。被上陸拒否者とは、『口頭審理の結果、我が国からの退去を命じられた者』『法務大臣に対する異議の申出の結果、我が国からの退去を命じられた者』などである。被上陸拒否者数を国籍・地域別に見ると、中国が3,765人と全体の35.4%を占めており、続いてタイが1,398人(13.1%)、トルコ925人(8.7%)の順となっており、上位3か国で全体の57.2%を占めている。中国が大幅に増加しているのは、2017年5月に開始された査証発給要件緩和措置により、査証発給対象者が拡大されたことの影響と推測されている。