上川陽子法務大臣は、記者からの、在日歴が30年経ても難民申請者が在留特別許可されず、日本で育って中・高校生になっても在留資格が認められず将来に期待を持てない子供もたくさんいるために、在留特別許可を抜本的に見直すべきではとの質問に対して、現在は日本にふさわしい出入国在留管理制度の見直しを進めている状況であることを明らかにした。
12月15日に実施された法務大臣閣議後記者会見の際に、記者からの質問で「入管手続の『在留特別許可に係るガイドライン』と入管法の改正の関係について質問します。このガイドラインは、具体例として在留特別許可がされた事例、されなかった事例というのを法務省の入管局が公表するようになりました。しかし実際には、在留特別許可の件数は2004年に13,000件を超えていたのが、2018年には約1割の13,00件余りに激減しています。以前であれば在留特別許可されたようなケースでも,この数年は全く許可されなくなりました。日本人や永住者の配偶者がいても、在日歴が30年近く経っている難民申請者も、在留特別許可されず、そして、日本で育った子どもなどでも、中学生になっても高校生になっても在留資格が認められず、将来に期待を持てないお子さんもたくさん出ています」との前置きが述べられた。
その後に「今回の入管法改正において、強制送還の強化ということ以前の問題として、やはり在留特別許可の在り方について、制度的にも政策的にも抜本的に見直す必要があるという声がいろいろと出ています。『在留特別許可に係るガイドライン』の今までの運用の検証をし、特に退去強制令書を発付した後の在留特別許可の運用を見直す考えがあるのかどうかなど、お分かりの範囲でお答えください」との旨の質問が行われた。
この質問に対して上川陽子法務大臣は、「現在は出入国在留管理庁において『収容・送還に関する専門部会』の御提言を踏まえた入管法の改正につきまして必要な検討を行っているところでございます。御質問の在留特別許可の在り方につきましても、その検討対象に含まれているところでございます。これからの我が国にふさわしい出入国在留管理制度の実現に向けまして、在留特別許可の在り方に関する様々な御意見をお寄せいただいているところでございますので、そうした御意見にしっかりと耳を傾けながら、御指摘の『在留特別許可に係るガイドライン』を含む運用面につきましても、しっかりと検討を進めてまいりたいと考えております」との旨の見解を示した。
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