日本提案の海底地形名がマレーシアでの国際会議で承認、国家間のEEZ等の争いに影響も

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画像提供:海上保安庁(承認された海底地形名の概要)
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日本の海上保安庁は、マレーシアのクアラルンプールで8月5日から9日まで開催された「海底地形名小委員会(SCUFN)」で審議されていた日本提案の海底地形名の55件が承認されたことを発表した。

「海底地形名小委員会」は、国際水路機関(IHO)とユネスコ政府間海洋学委員会(IOC)が共同で設置している、海底地形名称の国際的な承認を行う委員会である。国際的な海底地形名称の統一はこの委員会を通じて決定されており、今回は8月に開催された会議で日本が提案した海底地形名は55件承認された。

日本から提案し承認された名称は、硫黄島南方と南鳥島周辺の地形に付けられたものであり、地形を発見・調査した船舶・人名・生き物・暦・諸行事などに因んだものとなる。これらの海底地形名は、IHO/IOC海底地形名集に掲載されることで世界中に周知され、今後地図・海図や論文などに使われることになる。

周辺の地形名に因む名称は5件あり、「南硫黄島海脚(みなみいおうとうかいきゃく)」「鷹巣海丘(たかすかいきゅう)」「日光海盆(にっこうかいぼん)」「南三福海山(みなみさんぷくかいざん)」「雷神海盆(らいじんかいぼん)」となる。生き物の名称に因む名称は5件あり、「小鴨海山(こがもかいざん)」「蜂熊海山(はちくまかいざん)」「差羽海山(さしばかいざん)」「雀鷂海山群(つみかいざん)」「エビスガイ海山(えびすがいかいざん)となる。暦・諸行事に因む名称は32件、人名・船名に因む名称は13件となる。

この海底地形名は、各国が自国の領有権・排他的経済水域(EEZ)・海洋調査権を行使する際に、自国の行動の正当性を主張する際に使用される恐れがあり、世界各国は海底地形名小委員会の要職に自国職員を就任させようと攻勢を強めている。

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