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アセアン地域では台風や噴火などの自然災害や、隣国する国との国境争いなどの問題が発生するため、問題が発生した際には、柔軟に受け止めしなやかに対応することが求めれている。日本政府は、これらの問題解決方法をアセアン諸国に共有するため、インドネシア国立レジリエンス研究所で「ASEAN地域的強靱性の強化に関するセミナー:課題と好機」を9月9日に開催したことを発表した。
日本政府では、2014年6月に「国土強靱化地域計画」などの計画を策定し国および地方自治体が一体となって様々な対策を実施しているため、自然災害等が起こっても機能不全に陥らず、地域の復旧を即時に行うためのノウハウを所持している。アセアン地域においては、災害に対する準備がまだ十分に行われておらず、災害が発生した後に対策を検討・実施するという地域が多いため、日本政府からアセアン地域へノウハウを提供することとなった。
今回のセミナーには、インドネシアおよび各国の政府関係者など300名以上が参加した。日本政府からは、ASEAN日本政府代表部臨時代理大使が参加し、強靱性の定義や東日本大震災後の日本における強靱性の議論を紹介した。また、アセアンで「政治・安全保障共同体」「経済共同体」「社会文化共同体」の分野での、それぞれの共同体という見方をした場合は、何がアセアンの地域的強靱性の向上に資するかを述べた。具体的には、アセアン紛争解決手続きの強化、アセアン共通ポジションの形成、中小企業の育成、社会セーフティネットの構築などを挙げた。