東京都は、令和5年度の国の施策及び予算に対し、東京都が現在抱える課題の早急な解決と、施策の確実な実現のため、提案要求をとりまとめた。
『国際金融・経済都市の実現』として、クールジャパンの魅力発信等に資する外国人材を誘致するため、特区により「外国人理容師の就労を可能とする在留資格緩和」「外国人料理人の就労を促進する在留資格緩和」を実現することなどを要求している。また、金融系外国人材等が安心して活躍できる生活環境を整備するため、高度外国人材の受入促進による金融系外国企業等の進出の加速化、LGBT等の方々も活躍できるダイバーシティ実現の観点から、同性パートナーの在留に係る特例を創設することなどを要求している。この要求は、内閣府・金融庁・法務省・財務省・文部科学省・厚生労働省・経済産業省に対して行われている。
『観光産業の早期回復に向けた取組の充実』として、食事や生活上の習慣に一定の要件がある外国人旅行者のニーズにきめ細かく対応するため、外国人旅行者が多く集まる空港や鉄道ターミナル、観光施設などの運営者等に対し、異なる文化・習慣に関する普及啓発を図るとともに、外国人の多様な文化・習慣に配慮した環境整備に向けた支援の充実を図ることなどを要求している。この要求は、観光庁に対して行われている。
『多文化共生社会の実現に向けた外国人受入環境整備促進』として、多文化共生社会の実現に向けて、国は自らが主体となって必要な施策を推進するとともに、地方自治体、受入企業、外国人支援団体等が「地域における多文化共生推進プラン」に示された役割を担うための財政支援等を講ずる必要があるとしている。また、外国人が、差別や偏見を受けることなく安心して地域で暮らせるよう、日本人を含めた住民に対する多文化共生社会への理解促進を行うこと、日本語能力の習得や日本社会の習慣に対する理解促進のため全ての外国人に日本語学習等の機会を提供するための支援を行うことなどを要求している。なお、東京都の在住外国人数は、中国214,168人、韓国・朝鮮籍91,624人、ベトナム35,924人、フィリピン33,378人、ネパール25,095人、米国18,391人、台湾18,099人、インド14,026人、ミャンマー9,577人、タイ7,628人となる。この要求は、総務省・出入国在留管理庁・文化庁に対して行われている。