日本政府では、ベトナム・中国・インドネシア・フィリピン・ミャンマー・タイなどからの外国人技能実習生の受け入れを進めているが、オミクロン株の感染拡大を受けて外国人の入国停止措置が実施されたことにともない、農林水産分野における人手不足への対策は、国内の外国人材の在留延長や他の産業からの雇用などによって対応する事業を拡大させていく方針であることが明らかになった。
11月30日に実施された農林水産大臣記者会見の際に、記者から「外国人の入国禁止について伺います。政府は新型コロナウイルスの変異株、オミクロン株の感染拡大を受け、農業分野の技能実習生を含む外国人の入国を禁止する措置を取りました。生産現場では人手不足が続いていますが、現状をどう捉えているのかと、農水省の対応について教えてください」との旨の質問が行われた。
この質問に対して金子農林水産大臣は「全世界を対象に外国人の新規入国が停止されるなど、水際対策が強化されましたが、技能実習生や特定技能外国人、ビジネス目的の短期滞在の外国人にも適用されます。今般の措置は、オミクロン株に関する情報がある程度明らかになるまでの臨時措置と聞いておりますが、引き続き状況を注視して、農林水産分野への影響について見極めていきたいというふうに思っております」との旨を述べた。
その後に、人手確保に関しては「これまで外国人の入国問題に伴う農業現場における人手不足に対しましては、各地においてですね、国内の外国人材の在留延長や他の産業からの雇用などによって対応してまいりました。これらによる掛かり増し経費などに対しましては、農業労働力確保緊急支援事業によって、農業現場における必要な労働力の確保を現在まで支援してきたところであります。今般の予算におきましても、この事業を拡充することとしており、入国制限の状況を注視しつつ、労働力確保の状況を把握するとともに、事業の活用などにより、各地の労働力を後押ししてまいりたいと思います。他産業で、いろいろと仕事がない方々を雇って、そこにプラスアルファの補助金を出してというような形を取ったりしておりますので、結構、地域によって積極的にそれに取り組んでいるところもあれば、そうでないところもありますので、これはぜひ、各農協などでですね、検討していただければ。予算は十分にありますので」との旨の見解を示した。