総務省は、「令和3年度総務省所管予算概算要求の概要」を発表した。
日本の各省庁では、各省庁が政策などを実施するのに必要となる経費を要望書にまとめ、国の予算を管轄する財務省に送付している。例年は、送付は8月末に締め切られていたが、今年は新型コロナウイルスの影響により締め切りが9月末までに延期されており、今回は総務省の内容が公表された。
今回公表された内容の中で、海外に関連する主な事業は『放送コンテンツによる地域情報発信力強化』『国際放送の実施』『消防用機器等の海外展開の推進』となっていた。
『放送コンテンツによる地域情報発信力強化』は16.5億円となる。この事業は、ローカル放送局等と、自治体、地場産業等の関係者が幅広く協力し、ポストコロナも見据え、地域の魅力を紹介する放送コンテンツを制作、海外発信する取組への支援等を行うことにより、コロナ禍による影響が深刻化している地域の活性化を図るものとなる。
『国際放送の実施』は35.9億円となる。この事業は、放送法の規定に基づき、必要な事項を指定して、NHKに国際放送を行うことを要請することにより、我が国の文化、産業等の事情を海外へ紹介し、我が国に対する正しい認識を培うことによって、国際親善の増進及び外国との経済交流の発展等を図るとともに、在外邦人に対して必要な情報を提供するものとなる。
『消防用機器等の海外展開の推進』は0.6億円となる。この事業は、日本製品の海外展開を推進するため、東南アジア諸国に対し日本の規格・認証制度の普及を推進するとともに、日本企業に製品を紹介する場を提供するものとなる。
なお、NHKはこの交付金に関して、HPのよくある質問集に、『国境を越えた人や情報の交流が加速し、グローバル化が飛躍的に進んでいます。そうしたなか国際放送は、時事問題や国の重要な政策、国際問題に関する政府の見解、日本の文化などについて正しく外国に伝えることや、海外に住む日本人や日本人旅行者に大規模な事件・事故・災害に関して迅速に伝える役割があり、これらは国益にもなるものです。なお、国の要請を受けて行われる放送は、NHKが本来業務である国際放送と一体として行うこととされており、NHKの編集権が確保されています』との旨の見解をしめしている。