茂木外務大臣会見は、中国青年報の記者からの質問に答える形で、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)の協議は質の高い協定の年内妥結を目指して進めており、TPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)へのイギリスの参加はTPPの基準を満たす意思と意欲がある国は参加を歓迎するとの見解を示した。
10月4日に実施された茂木外務大臣会見の際に、中国青年報の記者から、「RCEPの協議の進捗状況は、現時点では集大成の成果が見えないですが、要因はいかがでしょうか。そして年内には日本側がリーダーシップを発揮し、どのように交渉を前進させていくのでしょうか。2点目は、EU離脱の課題を受けて、英国側もCPTTPに参加したいという報道もありましたが、日本側としては将来CPTTPの拡大についての基本的な立場あるいは方針はいかがでしょうか」との旨の質問が行われた。
この質問に対して茂木外務大臣は、RCEPに関しては「年内の妥結に向けて物品貿易・サービス貿易・投資に係わる市場アクセス交渉及び各分野のテキスト交渉がいま精力的に行われていると承知をいたしております。日本は関係各国に対して協力を呼びかけRCEP交渉をリードしており、日本としてはTPP11や日EU・EPAで妥結した経験を生かしながら質の高い協定の年内妥結を目指して、引き続きイニシアチブを発揮していく考えです」との旨の見解を示した。
その後に茂木外相はTPP11に関しては「TPP11は、世界的に保護主義が台頭する中で自由で公正な21世紀型の新しいルールを確立するものです。このハイスタンダードでそしてバランスのとれた21世紀型の新たな共通ルールを世界に広めていく、このことがTPP参加国の共通の思い認識です。日本としてはTPPが定めるハイスタンダードこれを満たす意思・意欲がある国、これについてはいかなる国と地域についても、TPP11への参加を歓迎する。英国についても同じ考え方であります。」との旨の見解を示した。
茂木外相はTPP11への参加に関しては、基準を満たす国と地域は参加を歓迎すると述べていることから、国だけでなくいわゆる地域(台湾・香港)なども参加することが可能とも推測できる。