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日本の独立行政法人である国際協力機構(JICA)は、カンボジアの観光都市の発展に寄与する上水道整備を支援するため、約63億円の円借款を実施する。
カンボジアでは、1990年代初頭まで続いた内戦により上水道設備を含めたインフラが破壊され、安全な水へのアクセスは極度に悪化した。内戦終了後は、首都プノンペンを中心に我が国及び他ドナーの協力により、上水道サービスの改善が行われていたが、地方都市の給水率は依然として低い状況であった。カンボジア第三の都市であるシェムリアップ市は、人口増加に加え年間280万人を超える観光客を集めるアンコールワット遺跡群を有し、急速な水需要の増大が見込まれているが、給水率は同国の主要都市のなかで最も低い水準で深刻な水不足が発生し衛生環境も劣悪なものとなっていた。
そのため、JICAはカンボジアの首都プノンペンで、カンボジア王国政府との間で、「シェムリアップ上水道拡張事業(第二期)」を対象として63億3,600万円を限度とする円借款貸付契約に調印した。この事業は、アンコールワット遺跡群を有し、観光客の急速な増加と都市化が進む同国第3の都市シェムリアップ市において、取水施設、浄水場、配水管等からなる上水道設備の整備を行い、安全かつ安定的な上水道サービスの普及を図り、同市の生活環境の改善、観光産業の振興に寄与することを目的としている。