野村農林水産大臣は、中国政府が日本産食品の輸入規制を実施していることに関して、マスコミなどに対して、日本よりも数百倍の濃度となる処理水が他国では放出されている事実を取り上げて欲しいとの要望を行った。
8月15日に実施された農林水産大臣記者会見の際に、記者から「日本産食品の中国が課している今の措置について、外交ルートで中国政府から日本政府に対し説明があったとの報道がございました。こちらの事実関係と、今後どのように中国なり、香港、今の規制を続けている、ないし強化しようとしている国・地域に対して働きかけていくかお考えをお聞かせください」との旨の質問が行われた。
この質問に対して、野村大臣は「中国政府が今、税関で(通関に)相当時間がかかっているという話も聞いていまして、いろいろな報道もありまして、(御指摘の報道については)承知しています。輸入規制による通関の遅延が一部発生しているところについて、これは中国だけではなくて、香港もそうですが、報告を受けていまして、仮に全面的な放射能検査が導入されているとすれば、日本からの食品輸入規制撤廃に向けた国際的な動きに逆行すると。中国に対してその旨申し入れをしているものと承知しています。日本産食品の安全性は科学的に証明されており、輸入規制は科学的根拠に基づき、早期に撤廃すべきものだと思っています」
その後に、「最近マスコミでも取り上げられるようになりましたが、他の国も海洋(等)へ(国際的な考え方に基づき、各国の規制基準を順守しつつ、トリチウムを含む液体廃棄物の)排出をしています。日本のALPS処理水の濃度というか、特にトリチウムについては、日本よりも数倍も数百倍もあるような処理水が(他国では)放出されているという(報道を)拝見しまして、もう少しこういうことを、日本の場合は(トリチウムの量が)これだけですということを、ぜひとも皆さん方でも取り上げていただきたいと思います」との見解を示した。