警察庁、法務省、出入国在留管理庁、厚生労働省は、「不法就労等外国人対策の推進(改訂)」を策定し、協力して不法就労等問題に取り組んでいくことを確認した。
入出国在留管理庁らの見解によると、近年の新型コロナウイルス感染症の影響により、昨年の外国人入国者数は前年比で約86%減少し約431万人となるなど、日本に在留する外国人を取り巻く状況が大きく変化する中にあっても、不法就労等外国人は日本の労働市場、治安など様々な分野に影響を及ぼすことが懸念されている。
また、過去の不法就労等外国人の態様は、不法残留や不法入国という、いわば単純な形態であったが、時代が変わるにつれ、その態様も大きく変化している。特に近年においては「偽変造の在留カード等を行使して、就労する事案」「表面上は正規の在留資格を有するものの、その実態は在留資格に応じた活動を行うことなく、専ら単純労働に従事するなど、偽装滞在して就労する事案」「実際には条約上の難民に該当する事情がないにもかかわらず、濫用・誤用的に難民認定申請を行い、就労する事案」「技能実習生が、技能実習先から失踪して、他所で就労する事案」「留学生が、中途退学処分を受けた後も帰国することなく残った在留期間を利用して、就労する事案」など多様化し、日本に在留し、就労するための手口が、年を追うごとに悪質かつ巧妙化している。
そのため、「不法就労外国人対策等関係局長連絡会議」において、「不法就労等外国人対策の推進(改訂)」を策定し、四省庁が一層協力して、不法就労等問題に取り組んでいくことが確認された。改訂された内容では「不法就労等の撲滅に向けた取締り」「取締り強化に向けた緊密な情報交換」「不法就労等防止に向けた広報・啓発活動及び指導の積極的実施」などにおいて、関係者の協力関係をさらに強化していく。