外国人もワクチン接種対象、不法滞在者の対応は不明確に

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日本では、新型コロナウイルスワクチン接種は外国人も対象となることから、正当に滞在している外国人に対してはワクチン接種に関する接種券が送付される手続きが進められているが、いわゆるオーバーステイ(不法滞在者)の外国人に対しての対応は明確には示されていない状況である。

首相官邸では、「外国人も含め、接種の対象となるすべての住民に全額公費で接種を行います。接種の時期が近づいたら、市町村から、接種のお知らせや接種券をお送りする予定です」であるとしている。そのため地方自治体では、在留している外国人などに向けて、接種券(注射のチケット)が住んでいる住所に届くため、必ず読むように呼び掛けている。

外国人に対する新型コロナウイルスワクチン接種に関しては、立憲民主党の塩村あやか議員からは「新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種に関する質問主意書」として、オーバーステイなどの自治体による実態把握が難しい場合も想定され、政府が想定しているワクチン接種の対象となる外国人の範囲とその考え方、仮放免中の外国人は接種対象に含まれるのか、日本に滞在する外国人の中でワクチン接種の対象とならない者はいるのか、との旨の質問が行われていた。この質問に対しては、原則として、日本国内に居住する実態を有する者を新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の対象とすることを検討しており、仮放免中の外国人は接種対象に含まれるかは現在検討中であり、日本国内に居住する実態を有しない者は予防接種の対象とならないものと考えている、との旨の回答が示されていた。

その後に、厚生労働省健康局健康課予防接種室からは、各都道府県衛生主管部に対して、3月31日付で「入管法等の規定により本邦に在留することができる外国人以外の在留外国人に対する新型コロナウイルス感染症に係る予防接種について」として、仮放免中の者(入管施設に収容された後に一時的に収容が解除された者)のうち、実施主体である市町村の区域内に居住していることが明らかなものについては、仮放免中の者から申請があった場合に接種券の発行を行うなど、新型コロナ予防接種を受けることができるよう適切な配慮を行うとの旨の連絡が行われている。しかしながら、オーバーステイの外国人に対しては、明確には対応可否が示されていない。

なお、報道によると、一部の地方自治体では、オーバーステイしている者でも居住実態があればワクチン接種を行うための準備を進めている所もあるとされている。

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