愛知県は、外国人向けの介護保険制度説明リーフレットと介護支援者向けの多文化共生理解促進リーフレットを作成した。
愛知県の見解によると、愛知県には全国で2番目に多い約28万人の外国人県民が暮らしており、在留期間に制限のない永住者も増加し続けていることから、今後は外国人高齢者の増加が予想されている。そのため愛知県は、外国人高齢者が安心して老後生活を送ることができるよう、介護保険制度の基礎知識や介護保険サービスを利用する方法などを分かりやすく多言語で説明するリーフレット「KAIGO HOKEN」を作成した。併せて、介護・福祉サービスに携わる者に対して、外国人高齢者と接する際に知ってもらいたいポイントなどをまとめたリーフレット「外国人高齢者の介護 言葉と文化の壁を越えて」が作成された。なお、『外国人高齢者』とは、外国籍の高齢者のほか、帰化して日本国籍を取得した人などを指すとしている。
リーフレット「外国人高齢者の介護 言葉と文化の壁を越えて」には、「愛知県の外国人の状況」「外国人高齢者への介護について」「外国人高齢者の来日した経緯」「文化の違いの留意点」「外国人高齢者介護のポイント」「多言語パンフレット」「相談窓口」が記載されている。
「外国人高齢者の来日した経緯」では、日本に暮らす外国人高齢者は様々な文化的背景を持っており、来日した時期や経緯なども様々であり、このような外国人が日本で長年暮らす中で生活の基盤が日本になり、日本で老後を迎えているとしている。1910年代には、戦前の日韓合併により朝鮮半島から来日し戦後も日本に定住した韓国・朝鮮人「在日コリアン」、1980年代には、ベトナム戦争などにより外国に逃避したベトナム・ラオス・カンボジアの難民である「インドシナ難民」、旧満州国に移民し終戦時に引き揚げることができず中国に残らざるを得なかった人とその家族「中国帰国者」、主にエンターテイナーとして来日「フィリピン人」が、それぞれ来日したとしている。
「外国人高齢者介護のポイント」では、「歴史的・生活的背景への理解」「母語への配慮」「識字能力への配慮」「地域全体での支え合い」「異なる文化への配慮」「様々な主体の連携による協働」が必要としている。