X
このページの所要時間: 129

フィリピンでは経済成長に伴い官民の両面からの電力消費が増加したため、都市部においては積極的に電力インフラへの設備投資を行いある程度の安定的に電力を供給することが可能となったが、都市部以外においては十分な電力インフラの構築が出来ていない状況である。そのため日本政府は、ルソン島北部のイフガオ州アシプロにおいて、無償資金協力事業「イフガオ州小水力発電計画」として水力発電整備の支援を実施し、この竣工式を7月9日に実施したことを発表した。

イフガオ州には豊富な水資源に加え、落差の大きい地形が多く存在しており、水力発電には最適な地形であったため、国内有数の小水力発電の候補として以前から注目されていた。また、フィリピンではエネルギー源多様化を目指している事もあり、水力発電の開発を進めることは急務となっていた。

今回の無償資金協力事業では、総額9億2,200万円の支援が実施され、820kW程度の小水力発電所が整備された。整備には日本企業の優れた技術を持つ会社の技術・製品などが供与された。竣工式には、日本側からはJICAの所長および書記官などが参加し、フィリピン側からはハバウェル・イフガオ州知事・マルコス・エネルギー省の関係者などが参加した。

(日本企業により供与した発電機)

今回の支援が実施されたイフガオ州では、1995年に認定されたフィリピンの世界遺産の「コルディエラの棚田」が存在している。しかし近年では、若者の農業離れや土砂崩壊などの理由により、棚田の減少に悩まされていた。そのため、今回の水力発電で得られた収入の一部は、棚田保全基金(Rice Terraces Conservation Fund)へ充てられる予定である。

(コルディエラの棚田)

View Comments

  • ベトナムのヴィンロン省出身です。日本企業は今ベトナムに巨額の投資をしているのですが、この機会にぜひヴィンロン省にも投資をお考えてみてはいかがですか。ヴィンロンは農業が盛んな地域で、サイゴンとカントーの間にあり、人口102万人もいるという地理的にも有利で,人材的にも豊富です。

  • 失礼します。いつもニュースを拝見しているヤンゴン在住者です。上記記事の今年1月のレートは、1ドル=1030チャットの誤りではないでしょうか。上記のレートでは、急激なチャット高が進んでいることになってしまいます。また、出典が書かれていませんが、参考までに書いて頂けると、読者のためになるのではないかと思います。僭越ですが、よろしくお願い致します。

  • インドネシアは盗品とわかって購入する恥知らず。
    しかも情報垂れ流し。
    日本は経済制裁すべきですな

  • 毎々、興味深く拝読しております。
    有益な情報を発信して頂きまして誠にありがとうございます。

    さて、本記事についてですが、宜しければ記事のソースを教えて頂けないでしょうか?

  • 日米間も過去を乗り越えることに成功した。越米間はちょっと状況あ違うだろうが、なんとか過去を乗り越え、発展した関係になってほしい。このままでは、中國の思うツボだ。

  • 1 2 3 6