比新大統領は中国の鉄道供与を受入、前回支援は途中放棄の末に日本が引継

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フィリピンの次期大統領であるロドリゴ・ドゥテルテ氏は、中国政府から南シナ海問題を棚上げにする代わりに首都圏と国際空港を結ぶ鉄道建設を支援する事を打診されており、基本的に受け入れる方針である事を、地元メディアの取材に答える形で明らかにした。

ドゥテルテ次期大統領の発言によると、中国の外交官がフィリピン政府に提案している路線内容は、マニラ首都圏とクラーク国際空港を結ぶものとなる。フィリピン政府が同意すれば、中国政府は鉄道建設を即時に開始し、2年程度で建設を完了し、途中放棄することなく必ず建設を完了するとしている。この提案は現状のマニラ首都圏の渋滞を緩和しフィリピン国内の交通インフラ改善に繋がるものであるとして、基本的には受け入れる方針である。詳細の条件等に関しては、次期の運輸通信相に対して中国政府と話し合いを行うよう指示している。また、次期官僚陣は中国政府への訪問を既に実施している。そもそも、中国とフィリピンが戦争を行った場合には多数の自国民も犠牲となるため、中国政府との係争をこれ以上拡大させるつもりは無い。

以前のニュース(フィリピン大統領候補は中国が鉄道供与した際には南シナ海問題を棚上げ)でも報じていたが、ドゥテルテ次期大統領は選挙活動中から、中国政府が鉄道供与などの経済支援を行った場合には、南シナ海問題を棚上げする事を明言していた。ドゥテルテ氏が次期大統領となる事が確定してからは、中国政府は具体的な提案をドゥテルテ氏に行っており、このままでは実現する見込みである。

中国政府がフィリピン政府に対して鉄道を供与すると約束した事は、以前にも行われていた。以前の場合には、中国政府は結果として建設を完了せずに計画が凍結され、日本政府が円借款による支援として建設を実質的に引き継ぐ形となっていた(日本はフィリピンの鉄道整備を支援、中国の事後処理か)。今回の中国政府による建設支援は、無事に完成させる事が出来るのかと注目が集まっている。