国内バナナ価格が上昇、フィリピン産依存から脱却出来るか
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東京都中央卸売市場の発表によると、日本国内におけるバナナの卸価格が上昇している。世界的なバナナ需要が高まっていることと、フィリピンでバナナの生産が減少しているためである。
東京都中央卸売市場が発表している市場統計情報によると、バナナの価格は年々上昇している。2016年4月の1kgあたりの平均価格が184円となっているが、2015年4月は180円、2014年4月は171円、2013年4月は168円であり、年々上昇している。年間での1kg当たりの平均取引価格では、2015年は170円、2014年は157円、2013年は141円、2012年は112円であり、2015年と2012年を比べた場合には50%程度の上昇をみせている。
日本国内のバナナ価格が上昇している要因としては、世界的にバナナを消費する生活習慣が普及し、特に中国や新興国が輸入量を増加させている事などが挙げられる。また、日本はバナナ輸入の大多数をフィリピンに頼っているが、このフィリピンでは台風被害が発生し作付面積が減少しているうえに、フィリピンの主要生産地であるミンダナオ島でバナナの木を枯らせてしまう新パナマ病が蔓延し生産量が減少しているためである。
このままでは、日本国内のバナナ価格は上昇する一方かと思われるが、日本政府も事前に対策を実施している。以前のニュース(日本のバナナ市場をベトナム・フィリピン・インドネシアが争う)でも報じているが、日本政府では政治的な意図もあり、バナナを輸入する国を分散化させるための施策を実施し、インドネシアとベトナムからの輸入も進めている。特にベトナム政府では、日本政府との友好関係を生かして、政府主導でバナナの日本輸出を推進している。