インドネシアの2015年上半期の国内総生産(GDP)成長率が4.7%と6年ぶりの低水準となったことにともない、インドネシア政府は海外からの積極的な投資受け入れにより成長の維持を図るしかないが、インドネシアの高速鉄道を中国政府が受注したことにともない、日本からの投資引き揚げの動きがみえているため、この日本からの投資減少分を中国からの投資受け入れで対応する方針であることを地元メディアが報じた。
インドネシア政府の公式発表では、日本からの投資意欲は衰えておらず三井住友銀行、住友商事などを中心とした大手企業からの投資申請は続いており、日本の自動車部品工場などもインドネシアへの進出を検討していると発表している。また、日本の政府機関との継続した会合および日本メディアへの取材に応じていることもあり、高速鉄道を中国政府が受注したことは、日本からの投資に与える影響はほぼないと発表している。
しかしながら地元メディアによると、中国政府の受注が確定した直後から、日本政府主導の投資は、人道的支援目的以外の案件は全見直しが入っている状況である。民間企業の投資に関しても、一部では投資中止を含めた検討を行っている。そのため、インドネシア側は他国への切り替えを含めた検討も実施しているが、高度な技術を必要とする分野においては、他国への変更が容易に行えないことからも、インドネシア側の現場の担当者の間では混乱がみられている。特に中国政府と約束した投資は、確実に実施される保障が無い事からも、担当者達の混乱に拍車をかけている。これらのリスクを考慮しても、経済成長のためには海外からの投資受け入れを行わなくてはならないため、日本からの投資引き揚げ分は、短期的には中国政府からの投資受け入れで対応していく方針になるであろうと地元メディアは報じている。
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