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ミャンマー国内ではイスラム教を信仰する少数民族のロヒンギャが迫害されているが、ミャンマーの実質的な最高責任者であるアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相はこの問題を解決するための努力を怠っているとして、隣国のマレーシアやインドネシアや国連関係者から強い批判が続出しはじめている。

少数民族のロヒンギャ族は、主にバングラデシュ国境沿いのラカイン州に住んでいる。このロヒンギャ族は、仏教徒の中でも過激な思考を持ついわゆる仏教過激派やミャンマー国軍との間で紛争を起こしていた。ミャンマーの政権を軍事政権が握っていた時代には、少数民族問題を重要課題として取り扱っていたために強硬的な姿勢で関係者を抑制しており、衝突が発生した際には即時の武力投入により問題の更なる悪化を防いでいた。ミャンマー国民の中でもロヒンギャ族を嫌う人は多いが、国軍では紛争を更に悪化させないためにもロヒンギャ族を過度に侮辱する報道等を抑え統制を図っていた事等もあり、事態の更なる悪化を防いでいた。しかしながら、スー・チー氏が率いる国民民主連盟(NLD)が政権を握った後には、これらの抑制が無くなったために少数民族問題が悪化しロヒンギャ族と仏教過激派や国軍との間での度重なる武力衝突が頻出している。

この現状にイスラム教徒を多く抱える近隣諸国であるマレーシア政府やインドネシア政府からは抗議の声が挙がっており、マレーシアのナジブ首相は「ノーベル平和賞を受賞しているスー・チー氏は、この問題を何故解決しないのか?ミャンマー政府が行っているのは武力による鎮圧なだけで、根本的な解決は何ら行っていない。」との旨の抗議の声を挙げている。そのため、この問題を解決するための非公式なASEAN外相会談が開催されたが、スー・チー氏は問題の調査を行う事を明言したが根本的な解決策は示さなかった。

この少数民族問題を国連も問題視しはじめており、過去のノーベル平和賞受賞者達がこの問題を国連安全保障理事会で取り上げるように要請している。国連としても、前国連事務総長であったコフィ・アナン氏がスー・チー氏からの要請を受けてロヒンギャ族の問題を解決するために現地入りしていたが、スー・チー氏からの強力な協力を得られなかったこともあり、問題の解決には至らなかった。そのため国連は、今後はこの少数民族問題を国連安全保障理事会などにおいて協議し、国連全体の問題として解決を図っていくとみられている。

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