在ベトナム日本大使館は、日本の支援で実施された訪日研修に参加した政府要人たちを集めた『国家指導者候補者研修 同窓会』が、ホーチミン国家政治学院とJICAベトナム事務所との共催で開催されたことを発表した。
日本政府では、2013年から2016年にかけて「ホーチミン国家政治学院及び行政学院公務員研修実施能力強化支援プロジェクト」を実施していた。この支援は、ホーチミン国家政治学院及び国家行政学院における研修・教育を受講した幹部・公務員の能力を向上させることを目的として実施したものである。この支援での「国家指導者候補者研修(ロップゴン)」において、訪日研修に参加した方々を招待して同窓会が開催された。なお、2016年のベトナムの共産党大会では、この訪日研修に参加された113名のうち33名が中央委員に選出され、現在では多くの方が党や政府の大臣などの中枢で活躍している。
同窓会で梅田大使は「2点お話をさせて頂きます。1点目は、ベトナムの公務員人材育成に対する日本の協力についてです。日本政府に対してベトナム政府から、最重要課題の一つとして行政改革と人材育成についての協力要請があり、2017年のフック首相の訪日時の安倍総理は党・政府の幹部候補生に対する研修機会の提供を表明しました。これを受けて、毎年65人のベトナムの行政官を修士課程・博士課程に招聘しており、5年間で500人程度の中堅幹部を対象に短・中期の訪日研修を計画しています。そして、2021年の党大会に向けた次フェーズのロップゴンに日本政府が協力することとなりました。2点目はベトナム経済の将来についてです。現在のベトナム経済は大変好調であり、外国投資の流入も非常に順調です。その一方でとても残念なことですが、最近は日本関係者だけでなく外国政府関係者からも『越政府が過去の税優遇措置などの約束を反故にしようとする、国際ルール・慣行と整合しない措置をとる、支払いが大幅に遅延している』等の懸念の声が頻繁に聞かれるようになりました。ベトナムの国際的信用にかかわる問題であり、リーダーの皆さんには早期の改善をお願いしたいと思います。」との旨の挨拶を述べた。
梅田大使からの挨拶の後に、ホーチミン国家政治学院学院長、同前学院長などから挨拶が行われた。その後も館員も交えた懇親会が行われ、約3年ぶりとなる再会に思い出話に花が咲き、同窓会の最後には訪日研修参加者を代表して天然資源環境大臣から挨拶が行われた。
ベトナムでは2021年に党大会が開催される予定であり、新たな戦略的幹部養成研修が計画されているため、日本政府は人事院とJICAの協力を得てこの研修にも協力する予定である。
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