TPP参加のベトナムに中国からの生産移管が進む

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ベトナム政府がTPPへ参加することに伴い、中国からベトナムへの生産拠点に移動が進むと見られているが、革靴・プラスチック靴・競技用靴・靴底などを製造する靴の受託生産の最大手の台湾企業の宝成工業はベトナムへの生産移管を積極的に進めている。ベトナムの現地メディアが報じた。

宝成工業では、主要な生産拠点を中国に設置し、ナイキ・アディダスなどの大手企業から生産を委託される形で事業を実施してきた。しかしながら、近年では中国における人件費の高騰および雇用することにかかる費用が増加していたため、2012年以降に中国からベトナムへの生産移管を進めていた。ベトナムにおける生産比率は、2013年には34%、2014年には39%、2015年9月時点では42%となっており、今後も移管を進めていく方針である。

宝成工業の広報担当者はメディアの取材に応える形で「宝成工業が中国からベトナムに生産移管を行うのは、政治的・経済的に有利な条件があるために実施している。」と答えている。

以前のニュース(台湾のアパレル受託生産大手がベトナム工場に追加投資)でも報じているが、以前から台湾の受託企業の多くは人件費の安さなどの理由により、ベトナムに生産拠点を移していた。TPPの成立により、更なる有利な条件でベトナムで生産活動が可能となるため、中国からベトナムへの生産拠点の移管が進む見込みである。