ベトナムは中国からの支援を元に関係改善を目指す

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ベトナム政府は、中国政府からの招待を受け、6月17日から19日の日程でベトナムのファム・ビン・ミン副首相兼外相が率いる外交団が訪中し、その際に開催された会談において、ベトナム副首相と中国首相などが領有権問題を軸とした二国間関係を話し合い、南シナ海の領有権問題に関しては平和的な解決を目指す事とし、今後は中国とベトナム間の関係を改善させる方針であることを発表した。

この発表によると、ベトナム副首相は中国の李克強首相との会談だけではなく、王毅外相などとも会談を実施し、各産業における中国からの支援を受けることを約束した。今後はベトナムから中国への米・農作物・水産物・林業物などの輸出が促進され、文化・科学・教育・投資などの分野においても協力する。中国政府からは、更なるハイレベル会談を実施するため、ベトナムの最高指導者グエン・フー・チョンが訪中することを要望した。両国は、2016年から2020年における協力計画を策定し、交流を深めていくために今後も双方の高官が定期的に訪問し合うことを約束した。

ベトナム政府およびフィリピン政府は、中国政府と南シナ海の領有権問題で争っているが、両国はアメリカ政府から支持を得たために、中国政府はアメリカ政府のこれ以上の介入を防ぐためにも、今までの強硬姿勢から態度を軟化させたとみられている。以前のニュースでも報じているが、アメリカ政府からベトナム政府へ武器輸入の一部解除を実施することを決定している。また、フィリピン政府はアメリカ海軍から「南シナ海で中国軍による有事が発生した際には、同盟国を支持し、脅威には共同で立ち向かう」との支持を得ている。