タイ軍事政権は政権安定化へ向けて進む

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タイはタイ王国国軍が5月22日にクーデターを実施し軍事政権成立の宣言を行った事から、タイでは混乱が生じていたが、政権安定化へ向けて6月13日に夜間外出禁止令の全面解除が行われた。軍事政権は5月22日にクーデター実施しと同時に夜間外出禁止令を公布したが、民意の獲得に向けて様々な施策を講じている。

5月28日には一部の地域(リゾート地など)にて夜間外出禁止令を解除し、6月13日に全ての地域にて夜間外出禁止令の解除を行った。また、6月11日の外国人記者クラブにて、今回の騒動がクーデーターと呼ばれる事への違和感を表明し、今回の騒動はあくまでもより良い民主主義へ向かうための行動であると述べていた。

軍事政権は民意を獲得するため、サッカーW杯の全試合を無料テレビ放送する施策も実施している。無料放送するにあたり、放映権を取得していたRS Public Company Limited社(以下、RS社と略す)との間での争いが生じていた。RS社は一部試合のみ無料放送とし他の試合は有料放映する予定であったが、タイ国家放送通信委員会がRS社へ無料放映を要望し、RS社はこれを拒否し中央行政裁判所にて争われていた。
裁判の結果、RS社が勝訴したが、軍事政権が4億2700万バーツを提供する事により無料放送する事を要求し、RS社は4億2700万バーツであれば当初予定していた収益を回収出来ると判断し、早期の円満解決を図り消費者保護の観点からも、この要請に応じた。

軍事政権は早ければ8月頃にも暫定政権を発足する考えを示しているが、現時点では具体的な手法・人選は不明であるため、混乱が完全には収束する見込みはない。