タイ・中国鉄道計画が開始、協力相手を日本に変更と望む声も

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タイと中国を結ぶ鉄道計画の起工式が19日にタイのアユタヤ県のチェンラックノイ駅で実施されたが、計画の詳細に関してはまだ合意出来ておらず、建設される鉄道の安全性に関しては疑問符がついている状況となっている。タイ現地メディアのタイポストなどが報じた。

この鉄道は、タイの首都バンコクと中国の昆明を結ぶ約850Kmの鉄道となり、中国政府が構想している経済圏「一帯一路」のもとに実施されるものである。建設開始は来年の2016年5月頃となり、完成までは4年ほどかかる見込みである。金利や総資金などの詳細に関しては合意出来ておらず、タイ政府側は金利を2%程度を要求しているのに対して、中国政府側は2.5%程度を要求しているが決着はまだついていない。両国政府の運輸省および経済省の政策責任者が北京にて会合を実施しているが、合意するまでにはまだしばらく時間がかかるとみられている。

タイ現地においては、詳細の合意が出来ていないにも関わらず、鉄道建設計画を開始したことに疑問の声が挙がっている。建設資金が不正な用途で転用される可能性や、事故が多発する可能性も指摘されている。

以前のニュース(日本はフィリピンの鉄道整備を支援、中国の事後処理か)でも報じているが、中国政府が無償資金協力によりフィリピンの鉄道建設を支援したが、結果として中断し凍結された事例もあることから、今回の鉄道建設は無償資金協力ではないが、同様に中断される結果になるのではと懸念されている。そのため、早急に協力相手を中国政府から日本政府に変更すべきという要望の声も挙がっている。