米中関係悪化はシンガポールにとってマイナス、リー首相
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シンガポールのリー・シェンロン首相は、大国である中国政府とアメリカ政府の関係が悪化した場合には、両国と友好的な関係を構築しているシンガポール政府にとっては困難な状況に陥るとの見解を、BBCのインタビューに答える形で明らかにした。
リー首相は「アメリカ政府は、シンガポール政府と友好関係を保ち、多額の投資を行っており、シンガポールからの多額の輸出を受け入れています。防衛・セキュリティ・テロ対策などに関してもシンガポール政府と協力しています。このアメリカ政府と中国政府の関係が悪化した場合には、両国からどちらかの国を支持するように選択を迫られる事となるため、両政府と友好的な関係を構築しているシンガポール政府は非常に苦しい立場になります。」との旨の見解を述べた。
中国政府がフィリピン政府やベトナム政府と争っている南シナ海問題に関しては「シンガポール政府は、昨年の7月にオランダのハーグ仲裁裁判所がくだした判決を支持します。」と述べた。この判決では、仲裁裁判所は中国政府が主張する南シナ海の領有権を否定している。
TPP問題に関しては「米国政府がTPPを離脱する事を表明した事は、アメリカ政府の政策の信頼を損ねる事になります。しかしながら、既にこのような状況になってしまったからには、この状況に対応する必要があります。アメリカ政府を除く11カ国はTPPを実施する準備が出来ていますが、今後はどうなるかは分かりません。」との旨の見解を示した。