シンガポールでダイヤモンドの電子取引所が稼働

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シンガポール政府は、自国産業の多角化を図る事などを目的として、シンガポールの国営投資会社と有名投資家などが出資した「シンガポールダイヤモンド投資取引所(SINGAPORE DIAMOND INVESTMENT EXCHANGE)」が、5月5日から稼働を開始した事を発表した。

ダイヤモンドは、金・ゴム・石油・アルミニウムなどと異なり、個体毎の品質や性質が大きく異なるため、不特定多数が参加する商品取引所などの取引には向いておらず、専門業者同士による個別取引が一般的となっていた。このダイヤモンド市場では、中国をはじめとする新興国の経済成長が低迷した事にともない、消費が低迷し、取引価格も減少の一途を辿っていた。また、ダイヤモンド市場が閉鎖的でもあり、一般投資家達は参加出来なかったために、市場を拡大する事が難しい状況となっていた。

そのためシンガポール政府では、このダイヤモンド市場の需要喚起と市場拡大を狙って、世界で初めてとなるダイヤモンドの電子取引が可能な「シンガポールダイヤモンド投資取引所」を設立する事を決定した。この取引所への出資は、国営投資会社テマセク・ホールディングス子会社が主体となり、有名投資家のジム・ロジャーズ、Hsieh Fu Hua、Sun Tongyu、Cai Wenshengなども出資している。この取引所のシステムはシンガポール証券取引所などの最先端のテクノロジーを導入しており、柔軟性とパフォーマンスを兼ね揃えており、1秒間に50万件以上の売買処理が可能となっている。

シンガポールダイヤモンド投資取引所の会長は声明で「この取引所の開設により、ダイヤモンドの取引が透明かつ適正に行われる事が可能となりました。個人投資家が金などに投資するように、ダイヤモンドへ投資してくれる事を願っています。」と発表している。