日本とシンガポールはインフラ展開を連携して実施
新興国などによる経済発展に伴い、アジア地域を含む世界では各種インフラの需要が急速に拡大している。日本企業も海外におけるインフラ整備を手掛けているが、情報収集および現地における慣習および法律への対応などにおいては自国のみでの対応が厳しい状況であった。そのため、日本の国土交通省は、日本企業の支援の一環として、シンガポール政府との連携により周辺各国へのインフラ展開を実施することを目的とした「日・シンガポール共同スタディ・グループ」(日星共同スタディ・グループ)を2015年の2月および3月の2回にわたり開催したことを発表した。
この発表によると、現在は多数の日系企業がシンガポールに拠点を設置し、シンガポール国内におけるビジネスだけでなくアジア地域に向けてのビジネスを展開している。日本政府とシンガポール政府は、資金力やソリューションなどの面で補完性を有していることからも、両国における戦略的な連携を強化することで、結果としてインフラを海外展開する際の手法を多様化することが考えらる。
これらの現状を考慮し、日星共同スタディ・グループでは、両国の政府機関や都市・インフラ関係企業が参加している。日本の民間企業からは、大林組、大林組、鹿島建設、五洋建設、佐藤工業、清水建設、竹中工務店、住友不動産、三井不動産、三菱地所、東京建物、三井物産、住友商事、三菱商事などが参加している。シンガポール側からは、Ascendas、CapitaLand、Jurong Consultants、Keppel Corporation、Sembcorp Development、SingBridge、Surbana International Consultantsなどが参加している。なお、このスタディ・グループを取りまとめる業務受託者はプライスウォーターハウスクーパース(PWC)が担当した。
このスタディ・グループでは、両国の先進的な政策課題や強みについて共有を行い、両国の戦略的な連携を通じ、周辺国にインフラ展開を進めるための方策等について議論を実施した。
国土交通省は、今後も日本政府とシンガポール政府は戦略的な連携を強化することで、インフラの海外展開を推進していく方針であることを表明している。