シンガポールの2014年の観光産業は訪問者が減少し収入が横ばい
シンガポール政府は自国の観光産業を成長させるために、3つの巨大なタワーホテルを備え雲の中で泳いでいる気分になるインフィニティ・プールを備えている「マリーナ・ベイ・サンズ」や、南極を除く全ての大陸から様々な植物を集めており世界の屋内ガーデントップ10に数えられる「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」などを建設して、海外からの観光客を積極的に誘致している。しかしながら、昨年の外国人訪問者は減少しており、観光収入は横ばいであったことをシンガポール観光局は発表した。
この発表によると、昨年の2014年の外国人訪問者数は1,510万人であり、2013年の1,560万人から3.1%の減少である。2014年の観光収入は235億シンガポールドルであり、これは2013年と同額である。観光局の分析によると、減少した理由は、中国政府による観光法の改正(格安ツアーの規制)、地域・政治的な不安定(マレーシア機の不明事件)が影響したと分析している。しかしながら、訪問者自体は減少したが、滞在期間が長くなっており、特に中国とオーストラリアの訪問者は滞在期間が長く、1人当たりの現地で支払う金額が高くなっている。
国毎の訪問者の増加割合(主要15カ国での分析)では、香港が17%のトップであり、韓国の14%、ベトナムの11%、ドイツの5%と続いている。減少率では、中国が-24%のトップであり、オーストラリアの-5%、マレーシアの-4%、台湾の-4%と続いている。香港の増加率が高い理由は、家族で旅行しているために増加率が急増していると分析している。
シンガポール観光局は、今後重要となる国として中国・オーストラリア・インドネシアを挙げている。また、シンガポール航空やトリップアドバイザーなどとの様々な企業とパートナーシップ契約を締結し、新しい施設・スポットを設立し、今後も積極的に観光客の誘致活動を行っていく方針である。
【近年の観光収入の推移】
2010年:189億シンガポールドル
2011年:223億シンガポールドル
2012年:231億シンガポールドル
2013年:235億シンガポールドル
2014年:235億シンガポールドル
【近年の外国人訪問者の推移】
2010年:1,160万人
2011年:1,320万人
2012年:1,450万人
2013年:1,560万人
2014年:1,510万人