医療産業のハブを目指すシンガポール

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医療機器大手のフィリップス社とベクトン・ディッキンソン社(BD社)はシンガポールにおいて新たに施設を増設することをそれぞれ今月初旬に発表している。シンガポールにおいては日本と同様に高齢化が問題となり、この高齢化に対応するために高度な医療技術が必要となっていることと共に、継続して成長が見込まれる医療産業の成長を図るために、積極的に医療産業の誘致活動を行っており、今回はその誘致活動の成果が出た形となった。

フィリップス社の発表によると、地域本部を2016年前半までに完成する予定である。この本部は6階建ての床面積が約4万平方メートルとなり、遠隔医療サービスを中心とした製品・サービスの開発を行う。本部内には疑似病院を設置し、国内の医療関係者向けのショールームなどを設ける予定である。

BD社は1897年にアメリカで設立された医療機器の製造・販売を行う会社である。BD社の発表によると、新館を設立し、設計から製造までのサイクルを強化し、生産量を拡大させるだけでなく競争上の優位性を確立するために、新製品開発も積極的に行う。BD社の現状の生産拠点は主にアジア外に存在しているが、今後はアジアでの生産量を増やして、50%をアジアで生産することを目標としている。

今回の両社の施設の増強により、数百名程度の新規の雇用が発生するため、シンガポールの医療産業技術は確実に高まる見込みである。