比・露外相会談、中国への配慮で軍事協力のみで同盟は結ばず

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フィリピン政府とロシア政府は、フィリピンのペルフェクト・ヤサイ外相とロシアのセルゲイ・ラブロフ外相が5日にモスクワでフィリピン・ロシア外相会談を実施した事を発表した。

外相会談後にラブロフ外相は記者に対して「ロシア政府とフィリピン政府は貿易・経済・軍事などの分野において協力を進めていきます。ロシア政府は東南アジア諸国連合(アセアン)との関係を強化していく方針であるために、来年にASEAN議長国を務めるフィリピン政府にはASEANとの窓口になって貰う事を期待しています。軍事分野における訓練や研修などの協力は進めていくが、新たな軍事同盟となる協定は締結する予定はありません。」との旨を述べた。

ヤサイ外相は記者に対して「両国政府は、様々な分野における協力を進めていく事で合意しました。フィリピン政府としては、軍事関連の分野における協力を積極的に実施していきたいです。両国の国防相も会談を実施する予定ですが、同盟関係に関する協議を実施する予定はありません。フィリピンのドゥテルテ大統領が来年にロシアに訪問する事に両国は同意し、今後は実現に向けた各種調整を実施していきます。」との旨を述べた。

ロシア政府は中国政府に配慮しているため、中国政府と南シナ海の領有権問題で争っているフィリピン政府への積極的な武力・防衛面での協力が行えない状況である。今回の外相会談では軍事分野における協力を進める事には合意しているが、具体的な協力方法は模索している状況である。