フィリピンでは自警団による麻薬密売人の殺害が進む
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フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ新大統領は麻薬撲滅を目指して麻薬密売人の摘発を強化しているが、現地では警察ではない自警団などによる麻薬密売人の殺害が進んでいる。
複数の現地メディアの報道によると、フィリピンのマニラ首都圏において、私は麻薬密売人でしたという旨の記載がされている紙や段ボールに包まれた遺体が複数見つかっている。これらは警察に捜査のうえで殺害された遺体ではないとみられていることから、自警団などによる自発的な殺害が行われている事となる。また、麻薬密売人を殺害する様子もネット上にアップロードされている。
これらの事件においては、警察による正当な取り調べが行われていないために、殺害された人々は冤罪であった可能性がある事が指摘されている。また、現状のフィリピンの法律では死刑が禁止されていることから、麻薬密売人を殺害する事は法を超えた対応をしているという事になる事も指摘されている。
これらの抗議の声が多数挙がっていたがフィリピンのホセ・カリダ検事総長は11日の記者会見の際に「現状の麻薬対策では根絶するのにはまだ不十分である。麻薬撲滅には更なる対策が必要であり、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領の現在の方針を支持する。」と大統領の方針を強く支持し、自警団が自発的な殺害を行っている事に関しては特段の懸念を示していない状況である。