JICAは東日本大震災からの復興ノウハウをフィリピンに提供

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独立行政法人の国際協力機構(JICA)は、東日本大震災からの復興で学んだノウハウなどを、大型台風ヨランダで甚大な被害を受けたフィリピンの復興を支援するために提供した結果、現地でミルクフィッシュとカキの養殖に成功したことを発表した。

フィリピンでは、2013年11月に過去最大級となる大型台風ヨランダが直撃したため、直撃を受けたレイテ島、サマール島などの沿岸部においては、多数の家屋が倒壊し、漁業や農業などの産業へ致命的な打撃を受けていた。日本政府は、JICAなどを通じて被害を受けた地域への支援を実施していたが、日本もフィリピンと同様に災害多発国であり、東日本大震災からの復興を行うための様々な取り組みを実施したノウハウがあったため、フィリピンの被災地を復興するための支援協力を宮城県東松島市などに依頼していた。

この復興支援プロジェクトを開始してから約2年を経ていたが、日本の養殖技術を活用してミルクフィッシュとカキの養殖業復活に成功したことをJICAは発表した。この活用した技術は「浮沈式養殖生簀」と呼ばれ、ロープなどでつなぎとめて、生簀自体を浮かせたり沈めたりすることが可能な技術である。この技術を提供するために日本の宮城県東松島市の漁業関係者などが現地に訪れ指導しており、結果として台風前よりも多い収入を得る漁民が出てくる事態となっている。将来的には、フィリピン全土にこの「浮沈式養殖」という日本独自の技術が普及する可能性も出てきている。

JICAは、今後も東日本大震災からの復興を行ったノウハウを元として、フィリピンにおける復興支援を実施していく方針であることを表明している。