フィリピンで来週からAPECが開催
来週からフィリピンでアジア太平洋経済協力(APEC)閣僚会議が開催される。日本の安倍総理大臣および岸田外相はこの会議に参加するため、15日からフィリピンに訪問するが、今年のAPECは政治色が強い会議となる見込みのため、ロシア・インドネシアなどの一部に国においては最高責任者が欠席する事態となっている。
2015年のAPECは「地域経済統合アジェンダの推進」「中小企業の地域・世界市場への参画促進」「人材開発への投資」「持続可能かつ強靱な地域社会の構築」等をメインテーマとして、今年の議長国のフィリピンの各地において、今年の初旬から各国で話し合われていた。今までに実施された内容をまとめるとともに、来年度以降の方向性を決定するため、来週から閣僚会議が開催される。
例年の会議では、経済分野に関する内容のみが取り上げられていたが、今年は南シナ海の領有権問題が発生していたため、この内容も取り上げられる可能性が高いとみられている。特に中国と領有権を争っているフィリピン自身がAPEC議長国であるため、この場を利用するとみられている。中国政府は、APECで南シナ海の領有権問題を取り上げないようにフィリピン政府に要求しているが、フィリピン政府は「議長国の立場を利用して議題に挙げることはしないが、他の国が議題にあげた場合には話し合うこととなると思う」との見解を示している。
今年のAPEC閣僚会議は政治的な意味も強くなるとみられているため、政治闘争に巻き込まれることを避けるために、一部の国からは最高責任者が欠席する事態となっている。インドネシアの外務省はジョコ大統領が国内問題に対応するために欠席することを12日に発表しており、ロシアの大統領報道官はプーチン大統領が欠席することを12日に発表しており、更なる欠席者が続く可能性もあるとみられている。