フィリピン大統領は日本の技術力を称賛し関係強化を望む

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フィリピンのアキノ大統領は、6月2日から5日の日程で国賓として来日している。アキノ大統領3日に参院本会議場で演説し、日本の技術力の高さを称賛し今後も両国関係を深化していく方針であることを述べた。以下にその講演の概要をまとめる。

私はフィリピンの大統領として6度目の訪問を実施することが出来、また日本の美しさに触れることが出来て光栄です。

日本にきて私は日本の素晴らしい文化を思い出します。
ドイツで世界最速と言われていたポルシェ911ターボと、日本の日産のGT-Rが、ドイツのサーキット場で世界最速を争っていたことです。争った結果、大方の予想を覆し日産GT-Rが勝ちました。これには日本を除く全ての人々が驚きました。日本の人達はこれに驚かなかったと思います。なぜなら、日本の人々は製品の品質を向上されるための努力を惜しんでいないからです。
この事象に表されるように日本製品の品質は高いため、世界中の人々が品質・効率を向上させる「日本方式」を学ぼうとするのは当然の事でしょう。私が考えるには、日本方式とは、第一に単調に同じ事を繰り返さないことだと思っている。革新と適応を繰り返し、新しい知識を習得し、前向きな変化を行い、その結果として様々な問題を解決してきた。これらは「カイゼン」と呼ばれ、日本の政府機関においても実践されている。

日本は19世紀までは、世界的にみた場合には技術的には遅れていた。それにも関わらず、文明開化を機に集団的・国家的に努力したため、技術革新を行う事が出来た。それまでは封建制度・鎖国により外国からの知識を受け入れていなかったが、この方針を改め、一致団結して海外からの知識を受け入れることにより、近代国家に成長することが出来ている。また戦争後も、再び再復興に向けて努力したため、経済大国となることが出来ている。

近年の日本は安倍晋三首相のリーダーシップのもと、様々な改革が実施されている。フィリピンは日本の友人として、これらの改革および経済成長への取り組みを称賛する。何故なら、日本とフィリピンの関係は、フィリピンが唯一実施している2国間の自由貿易協定を締結している国であるからだ。また、フィリピンから日本に訪れる観光客数も多く、国別にみた場合には3番目に多い国である。

日本はフィリピンへ多額のODA(政府開発援助)を実施しており、ミンダナオの和平プロセスも支援してくれている。台風ヨランダによりフィリピンが多大な被害を受けた場合には日本の自衛隊が支援に来てくれ、日本の東日本大震災の際にはフィリピンからも支援を実施している。この様に、我々は深い関係で結ばれており、今後も長い間に育んできた友人関係を更に深めていくことを望んでいる。