厚生省は戦没者遺骨鑑定における同位体比分析の活用を研究
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厚生労働省は、フィリピンで収容した日本人戦没者とフィリピン人を分別することの有効性について検証研究を行う『戦没者の遺骨鑑定における同位体比分析の活用に関する研究事業』を実施する事を発表した。
日本政府では、フィリピン現地に訪問し、現地調査と遺骨収集事業等により戦没者遺骨の収容活動を実施している。収容した御遺骨は、収容した現地で法人類学的分析・遺留品・収容時の状況等複数の分析を基に総合的な鑑定を実施しており、日本人戦没者であると判断された御遺骨に関しては日本に送還している。しかし、フィリピン国立博物館に一時保管してある御遺骨に関しては、遺留品がなく収容状況も不明であるため、従来の総合的な鑑定は極めて困難となっていた。
そのため、科学的な分析の手法として同位体比分析を用いた鑑定を検討する事となった。この同位体比分析は、歯や骨に含まれる酸素等の構成比を分析することにより、出身地を推測するものであり、同位体比分析を用いて日本人戦没者とフィリピン人を分別することの有効性について検証研究を行うものである。厚生労働省は、この事業を『戦没者の遺骨鑑定における同位体比分析の活用に関する研究事業』として、事業を行う事業者を公募した。