フィリピン産バナナから農薬検出のため全ロットへの検査命令
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日本の厚生労働省は、輸入食品であるフィリピン産バナナとその加工品にたいして、検査命令を実施した事を発表した。
日本政府では、輸入食品の安全を確保するため、多種多様な食品等について食品安全の状況を幅広く監視するとともに輸入時の検査を強化する事等を目的として年度ごとに計画的に実施する「モニタリング検査」を実施している。このモニタリング検査を検疫所で実施した結果、フィリピン産バナナから農薬(殺虫剤)であるフィプロニルを検出したことから、検査命令がでることとなった。
今回の検査命令は、食品衛生法第26条第3項に基づく検査命令(輸入届出ごとの全ロットに対する検査の義務づけ)として実施される事となる。
フィリピン産バナナの輸入実績は、平成29年が812,293件であり、平成30年(11月27日までの速報値)が584,218件である。フィプロニルに係る検査による違反件数は、平成29年が0件であったのにたいして、平成30年は9件でている。
平成30年の違反内容におけるフィプロニルの検出値は最大で0.010ppmとなっている。この検出値であれば、人が一生涯毎日摂取し続けても健康への影響がないとされる一日当たりの摂取量である「許容一日摂取量」と、人が24時間またはそれより短い時間の間の経口摂取により健康に影響がないとする摂取量である「急性参照用量」の両面からみても、通常のバナナの摂取量であれば、健康に及ぼす影響はないとみられている。