IS系鎮圧作戦に米の特殊部隊が投入、フィリピン大統領は関与せず
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フィリピン南部のマラウィ市では、フィリピン国軍がイスラム過激派組織の掃討作戦を実施しており、この掃討作戦にアメリカの特殊部隊が投入されているが、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は自身はアメリカに支援の要請をしていないとの見解を示している。
在フィリピンのアメリカ大使館は、フィリピン南部のマラウィ市でイスラム過激派組織のイスラム国「IS」の黒い旗を掲げた武装組織が市の一部を占領した事に伴い、フィリピン国軍が掃討作戦を実施しているが、この掃討作戦にアメリカの特殊部隊が投入された事を明らかにした。特殊部隊が従事している内容などの詳細に関しては、安全保障上の理由により明らかにしていない。
武装組織は住民を人間の盾にしたうえで、対戦車兵器などの豊富な武装を所持していることから、フィリピン国軍では鎮圧に時間がかかり、多数の死亡者も出ていた。フィリピン国軍の発表によると、9日の戦闘では少なくとも国軍側で13人の死亡者と40人以上の負傷者が出ているとしている。そのため、アメリカ政府への支援要請が行われる事となった。
ロドリゴ・ドゥテルテ大統領は11日に実施した記者会見の際に、アメリカの特殊部隊が投入された件に関しては、自身は要請していないとの見解を示している。そのうえで「フィリピン政府は武装勢力の鎮圧を進めており、この鎮圧が成功する事に確信を持っています。この鎮圧作戦により負傷した兵士に対しては資金援助を行い、死亡した兵士には哀悼の意を示すとともに、家族に対して十分な資金援助を行う事を約束します。この鎮圧作戦が早期に終了する事を願います。」との旨の見解を示した。