ミャンマーで外貨締め出しが始まる

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ミャンマー中央銀行が、先週の金曜日の16日に外貨受け取り・保有免許を付与していた国内のホテル・旅行代理店・小売店などに対して、この免許を19日付けで取り消すことを通達していたことが、取り消しを受けた企業への取材により判明した。

ミャンマーにおいてはチャットという通貨が存在するが、チャットの信頼性が高くないため、国内・国外取引の両方において多額の取引を行う際には、アメリカドルでの決済を行うケースが多く存在していた。ミャンマーが民主化へ舵を切った後でも、チャットの信頼性が改善されず、現状では通貨安となっているために、自国通貨の保護の政策を実施するため、半ば強制的に今回の免許取り消しが実施されることとなったとみられている。

弊社が通常取引を行っており、現地の免許取り消し通達を受けた日系企業に現状を確認したところ、今回の通達は事前の予告なく行われたものであった。特に現地語のみでの通達であったため、海外から参入し現地語のビルマ語(ミャンマー語)を十分に理解出来ない企業においては、現状が把握出来ていない状況である。免許取り消しが行われた後に外国為替業務を行った場合には、違法となり禁固刑もしくは罰金刑が課される可能性がある。今後の対応を検討するため、企業がミャンマー中央銀行に詳細を確認しても、明確な回答がえられないため、今後の対応を検討出来ない状況であり、非常に困惑している。

海外から参入した企業は今回の通達に非常に困惑しているが、現地人が設立した会社の間ではそこまでの困惑はないようである。現地の人が設立した会社にコメントを求めたところ「ミャンマーにおいては、この様な唐突な通達が行われるのはよくある事であり、現地人としてはそこまで驚くことではありません。通達が厳格に実施されずに形骸化されることも多々あり、私達は状況を判断して周りに合わせるだけです。」と回答した。