三菱商事はミャンマーの貧困農村を支援
三菱商事株式会社は商社という性質上、海外の各地で長期的に継続する事業を展開している。そのため、事業を展開する国・地域で、地域の発展のために様々なサポートを実施しており、2015年3月期は43ヵ国、67案件を実施している。この施策の一環として三菱商事は、NGOが実施しているミャンマー中央乾燥地帯のマンダレー地域の農村における農業人材育成を支援することを発表した。
ミャンマーでは1人当たり名目GDPが低く(1,113ドル)途上国であるが、人口の多数が農産業に従事し、米・豆類を多量に生産しているため、ミャンマー全土で見た場合には、食糧不足が大きな社会問題とは成っていなかった。しかしながら、ミャンマー中央乾燥地帯は、雨が少なく土地が痩せている地域であり、経済発展が進んだ今もなお灌漑が未整備である。結果としてこの地域では、貧困農村が数多く存在している。
そのため、三菱商事は国際協力NGOオイスカ・インターナショナル(The Organization for Industrial)が取り組むミャンマー中央乾燥地帯のマンダレー地域の農村における農業人材育成を支援すべく、研修センターの増設または新設の為の覚書に調印致した。
オイスカは「すべての人々がさまざまな違いを乗り越えて共存し、地球上のあらゆる生命の基盤を守り育てようとする世界」を目指して1961年に設立された、日本に本部を置く国際NGOである。ミャンマーへは、1996年から農業技術指導を通じた人材育成や農村開発支援活動等に取り組んでいる。1997年に中央乾燥地帯に設立した研修センターでは、年間20名の農業の指導的人材を養成している。
三菱商事は「研修センターの増設または新設のための支援を行い、指導人材の倍増を目指す」ことと「オイスカなどのプログラムを通じ、ミャンマー中央乾燥地帯での貧困農村支援に包括的に取り組む」ことを表明している。