ミャンマー官民技術者に日本の耐震診断・改修手法を紹介

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日本の国土交通省は、日本政府の支援により実施する、既存建築物の耐震診断と耐震改修の推進に向けたセミナーが、2月11日にミャンマー工学会議のカンファレンスホールで開催されたことを発表した。

日本の国土交通省では、日本の建築分野の技術・基準の海外展開を支援する「住宅建築技術国際展開支援事業」を実施している。この支援事業は、新興国等を対象として現地の実情を踏まえて技術の普及を図るため、政府職員・技術者・専門家等を対象とする制度研修会・セミナー・ワークショップ等を企画・開催する民間事業者等に対し補助を行うものである。今回はこの事業を活用して、ミャンマーのヤンゴンで、昨年度に引き続き既存建築物の耐震診断と耐震改修の推進に向けたセミナーが開催された。

今回の事業主体は、OYOインターナショナル、イー・アール・エス、入江三宅設計事務所となる。ミャンマー側からの参加者は、ミャンマー建設省都市・住宅開発局の副局長と建築局の技師長、ミャンマー地震委員会の副会長、ヤンゴン工科大学土木工学科の教授などの合計159人となる。日本側からの参加者は、東京大学生産技術研究所の教授、東北大学大学院工学研究科の教授、建築研究所の客員研究員、OYOインターナショナルの部長、国土交通省住宅局の国際室長などの合計19人となる。

セミナーでは、日本から現地の技術者が活用しやすい耐震診断方法と、現地で使われている材料・構法を踏まえ廉価で容易に適用可能な耐震改修手法を提案し、現地の技術者や行政関係者から高い関心が寄せられた。パネルディスカッションでは、実態を把握することの重要性や現地に見合った方策検討とミャンマーの特徴を踏まえた現地での実証実験の必要性などについて議論が行われ、今後の技術普及や技術者の教育の重要性に関しても意見交換が行われた。