ロヒンギャ問題は人権を配慮し避難民の帰国支援を中心に
ミャンマーで発生している、いわゆるロヒンギャ問題にたいして日本政府は、人権を配慮したうえで避難民の帰国支援を中心とした支援を実施していく方針である。
日本の外務省で28日に実施された会見の際に、記者から「国連の人権委員会の方がミャンマーに派遣した調査団の報告書が出ました。この報告書では、ミャンマー側にジェノサイドの意図があって,軍の最高幹部を国際法に基づいて訴追すべきだとしています。この件に関して、日本政府としての見解、また事実確認の把握・認識なり、日本としてミャンマーや国際社会に対して何かしらのアクションを取ることがあるのでしょうか?」との旨の質問が行われた。この質問に対して河野外務大臣は「この報告書がどのような調査に基づいて出された報告書かというのは、まだ把握をしておりませんので、今は申し上げる事は出来ません。ただ、ミャンマー政府が外国人2名を含む独立調査団を設置したので、日本としてはこの調査団にしっかりと調査をして欲しいと思っています。」との旨の見解を示した。
この見解に対して質問した記者からは、「その結果が出るまでは、日本としては特に反応しないということでしょうか?」との旨の質問が行われた。この再度の質問にたいして河野外相は、「バングラデシュに避難をされているラカイン州のイスラム教徒がミャンマーに戻るための努力をバングラデシュ政府とミャンマー政府両国がやっているため、この取り組みを日本は支援していきたいと考えております。」との旨の見解を示した。
防衛省で28日に実施された記者会見の際に、記者から「ミャンマーの軍幹部が大臣を訪問されますが、ロヒンギャの迫害問題を巡って国連や欧米諸国がミャンマー軍に対して圧力を強めようとしていますが、今日の会談の中ではこの件に触れる予定はありますか?また、人権問題も多く世界的にクローズアップされる中で、日本政府とミャンマー政府との関係というのは、今後どのようにしていく予定ですか?」との旨の質問が行われた。
この質問に対して小野寺防衛大臣は「ロヒンギャ問題を含めて国際社会の様々な懸念に関しては、外務省を中心とした外交ルートでミャンマー政府に伝えているものと認識はしています。訪問するミャンマーの国軍の方は、将官級であくまでも軍の関係でありますが、政策面で何らかの意思決定を持っていらっしゃるというようなレベルではなく、そのような意図で今回お会いするわけではないので、防衛交流等の議論が中心になると思います。それぞれの国の軍というのは、それぞれの国民をしっかり守っていくということが基本でありますし、また、その際にはしっかりと人権にも配慮していくということも重要だと思っています。」との旨の見解を示した。