日本が支援したマレーシアの海上犯罪防止対策が地域の安全に貢献
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日本政府は独立行政法人の国際協力機構(JICA)を通じて、マレーシアのマラッカ海峡および東マレーシア海域における密入国・テロなどの海上犯罪を防ぐための支援を実施しているが、2011年に「海上密輸等取締能力強化計画」として実施された支援は、現在も概ね有効に活用されており地域の安全に役立っていることをJICAは発表した。
この「海上密輸等取締能力強化計画」の支援は、2009年3月30日に決定し同時に交換公文の署名式が行われており、2011年2月25日まで実施されていた支援であった。マレーシアのマラッカ海峡では、密入国や密輸等の海上犯罪が多発しており、この地域における経済活動などの成長を阻害していた。マラッカ海峡は、日本にとっては地政学的に重要な地域であり、アセアンの域内においても重要な地域であるため、同海峡とその周辺海域の保安確保のために日本政府は支援を実施することを決定した。この支援では、マレーシア税関の取締体制を整備するため、日本政府は高速艇10隻と携帯型赤外線監視カメラ14基の調達を支援した。
日本が支援した事業では、支援が完了し日本人技術者などが去った後には、時間が経過するにつれて設備が活用されずに、支援が有効に利用されないケースが多々存在する。そのため、JICAでは事後評価として整備完了後に支援した設備が有効活用されているかなどを確認しているが、2015年に入りこの支援が有効に活用されているかの事後評価を実施したところ、継続的なトレーニングが実施されていないなどの問題点が一部見つかったが、支援した設備は概ね有効に活用されており、地域の安全に役立っていることを確認した。