マレーシアとインドネシアで領土争いが発生
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インドネシアとマレーシアは領土・領海が隣接しているため、以前からボルネオ島の東方部・スマトラ島の北部などの海域における領土争いが発生していたが、両国は人種が近く、信仰する宗教も同じなため、今まで領土争いは表面化せずに水面下で行われていた。しかしながら近年では、インドネシア政府が主張する自国内の領海にマレーシア海軍が侵入したとして抗議する事件が多発している。
インドネシア政府は、以前のニュース(インドネシアは中国との領有権争いに備えて47の島の主権を明確にする)でも報じているが、中国と南シナ海で領有権争いを実施するベトナム・フィリピンを間近に見ていることもあり、中国などとの領有権争いを事前に防ぐために、自国の領土・領海を明確にすることを進めている。インドネシアの外側に位置する島では無人島などが多いが、これらの島に対しても、今までの経緯・歴史を考慮して自国の正当な領土であることを表明する方針である。そのため、マレーシアなどの近隣諸国もこの動きに対抗すべく自国領土の主張を始めたため、今回の状況となった。
現時点では、スバティック島(Sebatik)などで、インドネシア政府が自国領と表明しているエリアにマレーシア海軍が複数回にわたり許可無く侵入したことをインドネシア政府がマレーシア政府へ正式に抗議している。これらの抗議に対してはマレーシア政府も会話による解決を行う方針を示していることもあり、現時点では武力衝突などの恐れは無い。しかしながら、両国ともに強硬派が存在するため、今後の動きは不透明である。