マレーシアでヘリ墜落し首相側近ら6人死亡、あらゆる可能性を考慮し捜査
マレーシアのクアラルンプール近郊で4日にヘリコプターがゴム園に墜落し搭乗していた6人全員が死亡したことを、マレーシアのナジブ首相は会見を開き発表した。このヘリコプターには、首席補佐官や与党の幹部などが搭乗していた。
ナジブ首相の記者会見によると、この事件は死亡した6人が中部のパハン州で行われたナジブ氏の娘の結婚行事に出席し、クアラルンプール近郊の空港に戻る途中に発生した事件であった。ナジブ首相はこの6人の死亡に遺憾の意を示すとともに、墜落原因を早急に解決することを約束した。
この事件では、ヘリコプターのパイロットからは墜落する前に、救難信号および緊急時の連絡が行われなかったことから、予期せずに発生した事件である可能性が高いとみられている。パイロットは、航空空路は事前に承認された飛行経路に従っており、約13年間の操縦の実績もあることから技量に問題はなく、定期的に実施されている健康診断の結果も問題が無く、事前に不正な行動も見られなかったために、意図的に墜落させた可能性は低いと見られている。
墜落した原因としては、大雨の中で空中で爆発した、ヘリコプターから煙が出ていたなどの目撃者の証言もあるが、動画などの証拠はないため信ぴょう性は低いとみられている。また、高電圧の電気配線に接触したために発生した事故では無いかという専門家の見解もあるが、墜落した周辺では激しい雨が降っていたが操縦が困難となるほどでは無いとの地元民の証言もあることからも、現時点では墜落原因が不明な状況である。
また、一部のメディアではテロの可能性を示唆していたが、政府関係者は証拠の無い推測には回答を行わないとしており、根拠が無く悪意をもった推測を広めないようにと語っている。
現状では、マレーシアの航空局がブラックボックスを回収し、詳細な分析はこれから行われる見込みである。また、政府は特別捜査チームを編成し、現場の遺留物や搭乗した人の荷物や胃の内容物などの確認も実施しており、あらゆる可能性を考慮したうえでの捜査を実施している。